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響きあう心を

(公社)全埼玉私立幼稚園連合会  会長 四ツ釡雅彦
 
   毎日のように子どもを巡るニュースがありますが、中でも急増しているのが子どもを虐待したというニュースです。赤ちゃんの泣き声がうるさいということで、箱に入れて放置したら翌朝亡くなっていたとか、しつけということで暴力を繰り返して殺してしまったなどという悲惨な事件を耳にしますと、このままでは日本がだめになってしまうのではないかとさえ思います。

   全埼玉私立幼稚園連合会では幼稚園に在園する幼児や保護者に対して県の助成をいただきながらさまざまな事業を行っています。保護者に対して育児や教育への疑問にお答えする電話相談、インターネットを活用した情報提供、「子育てジャーナル」などの刊行物を園児の全家庭へ配布、各地域で子育て支援のための講演会の開催などの事業です。これらの事業を先頭に立って実施しているのは各地の私立幼稚園の先生方です。

   「子育てフォーラム」 「家庭教育フォーラム」ということでここ何年か県内二十数会場で行った講演を中心とした事業の中で、参加した保護者の皆様と短い時間ではありますが、歌を歌ったり、演奏を鑑賞していただくことを行いましたところ、とても好評でした。だれでも知っているような子どもの歌を歌うことで会場の皆様が一体となることができました。まさに心が通じ合うような体験です。だれでも親しめる童謡や唱歌などを中心として、子どもたちやお父さんお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんにまで輪をひろげていけたらどんなにかすばらしいのではないかと感じたのです。歌は心を響き合わせます。

   幼稚園で歌われている歌のなかには明治時代に作られたものも少なくありません。「むすんでひらいて」というおなじみの曲はもとはといえばフランスの思想家・音楽家ルソーの作と伝えられているそうですが、こうなると250年も前に作られても、今なお生きていることになります。音楽の世界ではこういうこともたくさんあります。わが国で昔は「文部省唱歌」といわれた数々の唱歌、野口雨情、北原白秋などの時代につくられた童謡の数々、昭和の戦後になっては今なお盛んに歌われていて、文学的・音楽的な香りの高い歌の数々、これらは私たちの大切な文化です。この文化を幼稚園が中心となって地域の方々みんなで大切にし、守り育てていきたい。またこれから歌い継がれていくような新しい歌を創り育てていきたい、というように夢は大きくふくらんできました。

   このような運動を幼稚園を発信源にしながら各方面に広げていき、子どもからお年寄りまで歌を通して心を結んでいく運動を進めていきたいと願っています。さいわいこの運動は多くの方々のご理解をいただき、ご賛同も得られています。時間がかかってもこの運動が継続され、子どもたちが明るく、思いやりのある心をもった人間に成長していくことができたら、これからの日本も大丈夫ではないかと思います。
公益社団法人
全埼玉私立幼稚園連合会
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